寒い寒いと言っていたら暖かくなっていたし、やっと暖かくなったと思ったら急にまた寒くなるし。サウナみたいに温めると冷ますで肌のキメが整えばいいですけど、それどころか乾燥して砂漠化が止まらないです。
さて。現実的なお肌の環境問題はおいといて、今日はお仕事で産後うつについて学ばせてもらいました。
女性は男性よりうつになりやすい
なんと、一生のうちで女性の約4人に1人はうつを発症するそうです。しかもそのうち10~15%が産褥期。女性の一大イベントの時期は同時に精神的に物凄い変化がある時期なんですね。イギリスでは産後の母体死亡原因は自殺が最多で13%を占めているそう。
産まれたての我が子を見て微笑む母親と言う一般的イメージと、結構かけ離れているのが分かります。
でも何で産後うつになるの?マタニティーブルーって何?
よく聞くキーワードの『産後うつ』と『マタニティブルー』。私も産む前から知ってました。何となく。正確に言うと【聞いた事がある】と言う感じ。
今回の研修によると
・マタニティブルーとは
産後2~3日から発症。(褥婦の30~50%) ピークは5日目頃で10日目くらいまでには軽快
情緒不安定、不眠、抑うつ気分、不安感、イライラ感
・(産後)うつ病
産後1~2週間頃から発症しやすい。(褥婦の10~30%)
不眠、落ち込み、自責感、無気力など
あー・・・わかるわかる。何となくやけどね。大体そんなののんびり考える余裕ないなー。そう思っていました。と言うより
私には関係ないやろ~
これが一番大きかったと思います。根拠はないけど。まさか自分が?ってやつです。
(産後)うつ病の判断基準
私は下の子を産んでもう少しで3年が経とうとしていますが、今でも周産期の事は結構覚えています。
妊活をしてやっと授かったけれど、合併妊娠で不安で不安で堪りませんでした。家族と「1人目であんなに母乳で悩んだからミルク育児にしようね」そう約束して帝王切開の為入院しました。けれど、産後に産院で言われた本当に何気ない一言が引き金になって「母乳をあげなければ!!」とスイッチが入ってしまったのです。母乳をあげたい、溢れるほど飲ませたい、でも子どもの成長も気になるし、子どもが泣く度に「母乳が足りない」「自己満足のせいで空腹だ」と責められているようで、なんて自分は最低な母親なんだ…と自責の念に駆られていました。母乳で育てたいのに母乳で育てる自信が無いと苦しむ私の姿を毎日近くで支えてくれた夫や母はどんなにか辛かったろう・・・と今になると思います。退院したその日、濱かつのCMを見て「美味しそー」と何気なくつぶやいた私に、晩御飯を作り終えていたにも拘らずスーパーに駆け込み豚肉を買ってきて、いっそいでトンカツを作ってくれた母に対して、励ましてくれようとしたことが逆に辛くて怒ったことが今でも悔やまれます。(注:母、健在です。(笑))
兎に角不安でたまらなくて、産前産後ケア施設に通いまくったあの頃。夜が怖くて堪らなかったこと。自分に自信が無いことを誰にも言えず辛かったこと。今でも消化できずに思い出すだけで少し目から水滴がこぼれそうになります。
ケア施設の先生が当時、「産後うつかもしれないから、病院に行ってみたら?」ととある病院を紹介して下さって受診しましたが、その病院では産後うつだとは診断されませんでした。(当時、本当の気持ちを誰かに言ったらとんでもない事になってしまうのではないか?!と本気で思っていたので偽りの私で受診した可能性が大いにあります。)
その診断基準を今日学んだのでご紹介します。(以下抜粋)
1~9の症状のうち1または2を必ず含んだ5項目以上が2週間以上毎日続いたとき。
- 抑うつ気分
- ほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退
- 食事療法ではない著しい体重減少あるいは増加。または食欲の減退または増加
- 不眠、または睡眠過多
- 焦燥または制止
- 易疲労性、または気力の減退
- 無価値観、または過剰あるいは不適切な罪責感
- 思想力や集中力の減退または決断困難
- 死についての反復思考、自殺念慮、自殺企画、またははっきりとした計画
症状は臨床的に著しい苦痛または社会的・職業的・他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている
エピソードが物質や他の医学的状態による精神的な影響によるものではない
だそうです。
いや、分からんですよね(苦笑)
分かんないから産後うつ=死にたくなる?元気がなくなる?マタニティーブルー=涙もろい?くらいにしか思ってなかったんです。
1、抑うつ気分←元気ない基準が自分で分からない
2、すべての活動における興味、喜びの著しい減退←楽しいとかそうじゃないとかそんなの考えてる暇がないからかな・・・って。
4、不眠←赤ちゃんのお世話で寝る暇ないよ~って言われてたから不眠なのか単にお世話に追われてるのか分からない
5、焦燥または制止←イライラしたりぼーっとしたりは、よくあるって言われていたし
6、易疲労性、または気力の減退←そりゃ寝てないんやけん、疲れやすいのは当たり前なんだな~って。
7、無価値観、または過剰あるいは不適切な罪責感←あ・・・あれっ?おかしいな・・・今になって思うとあの時の私って・・・
8、思想力や集中力の減退または決断困難←母乳育児に拘って、辛いと分かっているから混合若しくはミルク育児でも良いって思ってるのに決められなかったし…。でもだっての繰り返し・・・。考えているはずなのに考えがまとまらなくてそれがまた自分で混乱して。
ちょっとまって、私気付かなかっただけで当てはまりすぎじゃない?
占いは「みんなに大体あてはまるように出来てる」って言うけど(笑)、これ、本当は私・・・
(産後)うつやったっちゃないとぉぉぉぉぉぉ?!
研修中に、何か不思議な感覚になりました。「え、まさかね」という未だに受け入れがたい気持ちと、「やっぱりね。だけんあげんきつかったったい」と納得する気持ち。でも本当に自分で自分が分からなかったんですよね…。
気付きにくい・気付かれにくい(産後)うつ
今日のお話でも実際、(産後)うつは気付かれにくいそうです。産後は授乳や搾乳、オムツ交換で多忙だし体調不良は「疲れ」や「産後の肥立ちが悪い」と思われがち。
そしてその症状が育児不安として現れる事があるとのこと。
・育児が楽しくなく、不安が多い←楽しいなんて思ったことなかったし、不安しかなかったです。もう義務のように感じていました。
・母乳に拘る←正しく。
・子どもの将来を悲観し、心中に繋がる事がある←死のうと思ったことはなかったのですが、こんな母親の元に産まれて申し訳ないと夫に泣いて訴えていました。
育児不安のその先
育児不安に影響する因子にはいくつかあって、望まない妊娠であったり若くしての妊娠であったり、夫婦関係(家庭内暴力の存在や夫婦関係の悪化)、経済的な問題、実家や夫の家族との関係(育児方針の違い、関係悪化による不十分な育児支援)等が挙げられるそうです。
また、不妊治療後の妊娠では妊娠することが人生最大の目標になっている事があり、妊娠後や出産後は燃え尽き症候群となり育児に意欲がわかなくなることもあるとの事。これ、まさに私が日頃言っていたことそのものなんです。出産がゴールでノルマを果たした達成感と言うか。でも本当はそこがスタートなんだけど。。。。
現在、虐待の加害者のうち約半数を実母が占めると言われ、その要因として育児不安が関係しているそうです。
予期せず(そりゃ大体の人がそうですよね・・・)産後にうつ症状が出て、でもそれと気付かず不安が不安を呼んできて私の様に連鎖反応的に育児不安が膨らんでしまう人って多いと思うんです。
私は『何でみんなが普通に出来ている事が自分には出来ないのか』という理由が分からなくて苦しみました。でもあの時もし、自分がうつだと分かり、だから焦らなくていいし周りと比べなくていいことが分かっていたらあんなに苦しまなくて済んだのかもしれないな・・・。と思います。
(産後)うつの予防
産後にうつになってしまうのは、言ってしまえばその人の本質も関係している訳で完全に防ぐことは出来ないそうです。でも軽くすることはできる、とのこと。
その為にも、産む前から『正しい理解』が重要だそうです。本人の理解ももちろんですがパートナーや周りの人々の理解や協力、環境作りが必要不可欠。なんならパートナーがうつになることもあるそうです。でもそこに知識があれば、どこに支援があるか誰を頼って良いのか分かるから症状も重症化しにくいそうです。
私の職場で行っているマタニティクラスのテーマは【いつもとちょっと違うマタニティクラス】なんですね。何がちょっと違うかって、妊娠中の過ごし方や出産の仕組み、授乳や沐浴の仕方は産科や自治体が素晴らしい教室をしてあるのでうちではメインテーマにはなりません。お伝えするのは『産後の実際』について。支援センターでお母さん達が「後になって知った」「産む前に、こんなに大変なんだって知りたかった」と口々に叫ばれる精神的な悩みや肉体的な悩み、子育ての悩みにフォーカスをあてて講話をして頂いてます。
そして、決して自分はダメな母親だと思わなくていいこと、皆最初は初心者マークだと言う事を話しています。
今回の研修でも、産後のSNSやインターネットの問題が指摘されていました。背景に核家族化や地域社会との関係の希薄さがあり、育児不安や孤立感を紛らそうとして依存しやすいとのこと。
実際よく聞かれるのがSNSの依存(過剰に情報源として依存、他者と自身の育児を比較してのプレッシャーに苦しむ)、ネットゲーム依存(自宅で出来る簡易的なストレス解消のつもりが依存してしまう)等。
私は芸能人のインスタグラムを見て落ち込んでました。鳥栖の更には洞穴みたいなところに住んでて、あの世界の人と張り合ってたんですよ。当時の私・・・・・マジやばくないですか?!爆笑
やっぱり必要、ニーズに合った子育て支援
やはり、必要なのは正しい知識と繋がりだなと強く感じましたし、全部防げなくても、そして直接的に力になれなくてもどこかに繋げられる存在でありたいと思いました。
昨日、あいりす保育園内のにじのひろばでうつうつ母ちゃん座談会が開かれていました。当事者と参加者が膝を合わせて同じ空間で過ごすその時間がどれだけ相手の心を癒したことでしょう。
『そうだよね』『つらいよね』『大丈夫だよ』『頑張ったね』その言葉でどれだけの母親を孤独から救う事が出来るでしょう。すまいるfamの活動の一つにも「イクママ座談会」というのがあります。何でも話していい空間、本当に重要だと思います。
私が辛かった言葉に【真面目だね】【子どもが大好きなんだね】【暇なんだね、そんなこと考える時間があるってことは】と言うのがあります。子どもが大好きどころか育児が辛すぎて嫌い、若しくは何の感情も無くなっているのを言ってはいけないと押し殺していて、更には真面目すぎるんだよと言われた日には「そう言われて割り切れたら、今こんなに悩んでないです・・・」と落ち込むわけです。暇?暇なわけないじゃないですか。寝ても覚めても母乳か体重増加率(児が一日あたり何グラム増えたか)ばかり考えているんですよ?暇だから考えるんじゃない、考えすぎて脳はいっときも休んでませんから。
そんな私の暗黒期から今の私に変えてくれた・・・いや、変えて下さった・・・・変えておくんなさった方がいらっしゃるんですね。実は。もちろんそこに行きつくには産後からず~~~~っっと伴走して下さった産前産後ケア施設のスタッフの皆さんの存在が欠かせません。と同時に、
『もう、母乳やめたいんです』
と、産まれて初めて・・・2人目の4か月目にして初めて口にすることが出来た時、カルテを記入する手を止め、おもむろに私に向き直し
「どうしてそう思うとね」
と優しく聞き返してくださった先生の存在が大きいです。「母乳なんてクソ」と言わんばかりに、母乳のせいで苦しめられてきた気持ちを1人目の分まで(笑)散々吐き出した私が、目の前の先生が実は母乳育児の第一人者だと知ったのはその直後だったと言うオチ付ですが。(笑)
その私と息子の命の恩人のお二人のお一人目は先日第3回のすまいるupセミナーでお話し下さいました。で、もう一人の先生の子育て何でも相談会があるのです~~~~~~!!!!
来る2月23日(土)10時半から基里まちづくり推進センター分館にて、橋本武夫先生をぐるっと囲んで座談会形式の相談会になります!!!!今不安な人も、これから出産予定の方も、孫育て中の方も是非ご参加ください!
お申込みお問い合わせは・・・こちらまで。
最後に・・・
これは私が初めて精一杯の勇気を出して母子手帳に「子育てについて不安や困難を感じることがありますか」という問いに「はい」と答える事が出来たページです。
これまでの育児について吐露した後で渡された母子手帳を病院の駐車場で開いて、心の底から嬉しく思ったのを覚えています。
そして、「今度辛くなった時はこれを開いて読んでごらん」とソッと渡された育児関連本を帰る道すがら何気なく読んでいて、最後のページを開くとそこには・・・
もう、そこのシールのてっぺんが眩しいのか溢れる物のせいなのか分からないけれど、文字が読めなかったのは言うまでもありません。全米中が涙した瞬間でした。
で、仕事中の夫に急いで電話して開口一番に「あのね、今日行くって言ってたやん?初めての先生。そこでおっぱいみられたとって」と言ってしまい、せっかくの感動がなかなか伝わりませんでした。
おわり。
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